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   多摩美術大学大学院 コミュニケーションデザイン領域は、多摩美術大学造形表現学部
   デザイン学科と同様、世田谷の上野毛校舎で開講されている、夜間開講の大学院です。    学生には現役の社会人の方が多く、実社会での実践をしながら参加しています。
   アーバンデザインラボは、コミュニケーションデザイン領域アーバンデザイン専攻、堀内    ゼミの通称です。コミュニケーションデザイン領域全体についてはこちらをご覧下さい。    アーバンデザインラボは、これまでの都市づくりの反省をふまえ、新しいビジョンを提示する    ことを目標とします。それは、ハードづくりを中心とした、狭いデザインの領域にとどまらず、    人々が本当に快適で幸せに暮らせるような、都市のプログラムづくりをも守備範囲とします。    研究室で扱うほとんどのテーマは、ノンフィクション、リアルタイム進行中のものです。    これまでは、以前に建築・土木を勉強された方がメンバーでしたが、今後はより多方面の方の    知恵を結集する必然性を感じています。 ゲストとしての参加も歓迎します。    多摩美術大学デザイン系大学院は、八王子校舎(昼間部)と上野毛校舎(夜間部)に共通の    組織で、領域を超えた指導や授業を行っているのが特徴で、昼間部の授業選択もできます。
   ゼミは、毎週1〜2回、通年で開催されており、個々の研究、制作・設計活動にかかわるテー    マを扱う他、様々なトピックをめぐるブレインストーミングやフィールドワーク、協同作業    による作品の制作、現場での制作活動等が行われています。 学外との交流、学年を越えた    交流を通して、ノウハウの伝授、学生が現実のプロジェクトに関わる機会提供をしています。

   アーバンデザインラボで取組んだ主な産学官共同プロジェクト
   田原市中心市街地活性化計画に関する研究  発注者: 株式会社あつまるタウン田原    店舗ディスプレイおよび商品開発  発注者: 世田谷ボランティア協会    みらいグリーンマップの開発  協働・協賛: 富士フイルム株式会社、朝日新聞社    東京自転車グリーンマップの開発 協働:アーバンエコロジー東京、朝日新聞社 助成:環境省    世田谷区商店街振興プラン策定検討プロジェクト 発注者:PLACE、世田谷区都市計画課・商業課    サスティナブルな都市生活環境形成の研究 発注者:株式会社シマノ    自転車走行環境に関わるサインおよび色彩の研究 発注者:財団法人日本サイクリング協会    ファサードおよびウィンドウディスプレイ 発注者:自由が丘デパート会    イルミネーションプロジェクト 発注者:等々力商店街振興組合

   アーバンデザインラボのコアメンバーを紹介します。



堀内正弘 Masahiro Horiuchi  horiuchi@tamabi.ac.jp 経歴
  多摩美術大学 造形表現学部デザイン学科/大学院コミュニケーションデザイン領域 教授
  
  研究テーマ: 都市デザインガイドラインの策定、環境共生都市の設計、市民アドボカシー、他
  
学生の時から建築設計や都市設計の仕事をしていたが、日本では将来の都市作り、社会づくりの
  ビジョンの欠如が大問題であることを認識した。絵を描く以前のところからいかに職能として取り組
  
むかという課題である。情報の共有、コミュニケーションデザインという視点から、景観シミュレー
  ションおよびグリーンマップの制作などに取り組むが、バーチャルな守備範囲が拡大する一方で、
  リアルな環境情報、face to faceのコミュニケーション、ものづくりの重要性の認識を高めている。

 


山田謙一 Ken'ichi Yamada
  修士2年生 アーバンデザイン研究専攻 (主査: 堀内正弘  副査: 太田幸夫)

  研究テーマ: 「人が中心となる広場の研究 −イタリアンピアッツァの日本的変換−」
  土木設計者としてのノウハウを生かし、日本の都市に欠ける広場的空間づくりに取り組む。
  都市空間、都市景観の問題のみならず、制度的枠組み、商業政策、交通政策まで踏み込
  むことで、実践的な取り組みにすることを目指している。
  2004年後期 「二子玉イースト・プロジェクト」のプロジェクトリーダー



久保田恵 Megumi Kubota
  修士1年生 アーバンデザイン研究専攻 (主査: 堀内正弘  副査: 太田幸夫)

  研究テーマ: 「長野市中心市街地活性化に関する研究」
  長野市、代官山、ストックホルム各都市のフィールドワーク、都市構造の比較により、持続
  可能な住みやすい都市環境を創造するための方策について研究と実践をする。
  比較のためのキーワードは、 景観、街路、広場、文化・歴史、産業、商業、自然、都市機能。
  長野市の中心市街地を活性化させるための、具体的なアイデアの提言を目指している。



高 美香 Mika Koh
  研究員 アーバンデザイン研究専攻 (主査: 堀内正弘)

  研究テーマ: 「アジアにおけるデザイン研究ネットワークのあり方の研究」
  中国・韓国等、および欧米のデザイン高等教育、研究機関の現状について調査する。
  生活者の視点から構築するデザイン、古代から培われてきた思想や哲学に基づくデザインの
  特質をふまえ、今後の日本におけるデザイン研究、デザイン教育のあり方について考察する。
  東アジアのデザイン情報のハブとなるデザイン研究組織のあり方について、提言を行う予定。



清水大徳 Hironori Shimizu
  修士2年生 環境デザイン研究専攻 (主査: 渡部一二 副査: 堀内正弘)

  研究テーマ: 「都市農業を核とした都市再生の可能性」
  農地を計画的に取り入れたサスティナブル・シティの提示、パーマカルチャー、生物資源の活用
  エネルギー循環、保全すべき農業から計画的に創造する農業へ、都市の食糧問題と都市農業、
  生産緑地地区指定をめぐる問題点、都市農業を核とした地域内資源循環システムの創造。
  川崎市高津区での農業NPO法人設立を目指す。「川崎グリーンマップ」を制作中。



今村有里 Yuri Imamura
  修士2年生 環境デザイン研究専攻 (主査: 枡野俊明 副査: 堀内正弘)

  研究テーマ: 「住環境における緑化手法の研究と提案」
  全国の屋上緑化事例のフィールド調査を行う。
  キーワードは、人と植物との関わり、都市緑化、環境共生住宅、パッシブソーラーシステム、
  雨水利用、住宅の長寿命化、個人レベルの緑化、生ゴミの処理法、コレクティブハウジング。
  2004年前期 「国分寺崖線プロムナード」のプロジェクトリーダー



郭 羽中 Kaku Chu (in Japanese) Guo Chong (in English)
  修士2年生 サインコミュニケーションデザイン研究専攻 (主査: 太田幸夫  副査: 堀内正弘)

  研究テーマ: 「中国杭州西湖観光案内サインコミュニケーションデザイン」
  杭州市は昔から中国で最も有名な観光地のひとつである。サイン・コミュニケーション・デザインに
  よって、地域のもつ文化と歴史をより良く存続させながら、都市の発展を促進させて、快適な観光
  環境空間を生み出す。より良いコミュニケーション観光環境と観光都市のアイデンティティの創出
  を目指す。 中国で最初のグリーンマップとなる「杭州市グリーンマップ」を制作中。



本多智彦 Tomohiko Honda
  修士2年生 サインコミュニケーションデザイン研究専攻 (主査: 太田幸夫  副査: 堀内正弘)

  研究テーマ: 「新しいエディトリアルデザインの研究と開発」
   ピクトグラムを使用したエディトリアルデザインの開発。
  児童実用書を元に誰もが理解し楽しめる「図解工作」の本を制作。
  その本で使用するピクトグラムを研究開発。エディトリアルデザインの新たな可能性を考える。
  完成したデザインは、M1で研究した動くピクトグラムを元にweb上でリンク開示する予定。

   

    アーバンデザイン研究専攻の第1回修了生、浅野正敏さんを紹介します。指導教官よりも年長の社会人学生でした。
    埼玉県飯能市では、浅野さんが在学中に育てた、環境保護活動と市民参加のまちづくりを結びつけたいというビジョン
    と実践のアイデアが次々と実現しつつあります。2004年夏には、巨大木馬が完成し、注目を集めました。

浅野正敏 Masatoshi Asano
  
アーバンデザイン研究専攻 2003年修了生 (主査: 堀内正弘  副査: 山中玄三郎)

  修士論文テーマ : 「市民参加による地域デザインの計画と実践」
                      −埼玉県飯能市におけるまちづくりの実践を通して−
  
(以下、修士論文目次より)
 
 ■序章
   背景: 日本の原風景の喪失、経済優先社会への疑問、ふるさと喪失の危機
   意義: モデルとなる地域デザイン、街と自然を繋ぐ都市デザイン
   主題: 市民が誇れる都市(まち)を築く、市民参加型のまちづくり
   概観: 飯能市の起源、飯能の身近な自然、繁栄した西川林業、市街地の形成
   現状: 飯能市街地商店街の現況、混迷する林業、

 ■これまでのまちづくりの実践の記録: 時間系列に見る浅野と地域との関わり
   飯能銀座商店街の宝さがし、間伐材を利用したベンチづくり、
   市民参加でギャラリーづくり:空き店舗活用のコミュニケーション・ギャラリー
   街まちなお宝展、人が集まる仕掛けづくり

 ■自然環境保全活動: 「天覧山・多峯主山の自然を守る会」の発足
   自然環境保全の訴え、開発の留保、市民による自然環境調査
   自然観察会の実施、休耕田の再生、里山文化の再生の足がかり

 ■武州飯能馬車道計画: 広い視点で考える商店街の活性化、観光産業との連携
   自然環境を誇りにしたまち、地場産業を支える、地域通貨の可能性
   ゆっくりした時間を楽しめるまち、飯能における馬車の歴史

 ■木馬づくりの実践: 「木馬をつくる会」の結成と助成金申請
   間伐材の搬出、間伐材の皮むき体験、プレ木馬づくり
   商店街と林業との連携、商店街の協力を得た木馬づくりと木馬の設置
   間伐材利用コンクールで受賞、情報戦略(vehicle)としての木馬

 ■研究の今後
   木馬工房の設立に向けて、木馬産業の起業、工房に託す新しい産業構造の試み
   パラダイムシフト、市場経済の行末、エコロジー経済、こころの豊かさを求めて
   これからの地域デザイン、商店街の魅力づくり、新たな歴史を創る地域デザイン
   歴史を大切にした地域デザイン、西川材と自然を活かした地域デザイン
   今後の課題: 自立した地域社会の形成

 


    アーバンデザインラボは学部の授業、卒業制作、学生の課外活動と、制作や作品の発表の場づくりを協働しています。
    以下、アーバンデザインラボへ参加している学部生メンバーです。 

    4年生  山根由里衣、 小田原美和子、 竹林佐知子、 北川亜美

    3年生  中野賢太郎、 田村 健、 飯嶋 崇圭、 濱野純子、 蓑嶋 陽、 伊佐治真美、 森 聡美、 小倉 淳、 中木原明子

   入試情報

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