都心に生まれた、一本の大きな楡の木と、カスケードを伝う水の流れがある、誰もが一息つける憩いの場。道路の喧騒は一枚の壁によって遮られている。
さて、どのように作品が実現できたか、背後のエピソードを紹介しよう。米国でお世話になった片山利弘先生のお宅にパーティーで訪れた時、先生は一枚の絵を持ってきて、「堀内くんこれどう思うね?」とおっしゃるので、「良くないですね」「僕もそう思うんだよ」という会話があった。先生は、広場の路面パターンの提案を依頼されたのだが、そのまわりの建物が良くないという。プレゼは三日後だったが、私が建物の代替え案をつくって持参することにした。プレゼ当日、何も予告無しに提示された模型を見て、5分ほど熟考したマスターアーキテクトは、「よし、これでいこう!」と言った。集まった関係者に動揺が広がったが、このようにして私はポケットパークを実現することができた。
(残念ながら、今はゴジラ広場になってしまった。)
