art commons アートが結ぶ場づくり

自宅の一部を開放し、シェア奥沢という「小さな場」を開いた。様々なワークショップ、音楽会、食事会などのほか、コワーキングスペースとしての利用も多く、ここでの出会いから新しい活動が生まれている。シェア奥沢には、ひとりでリラックスできる場所もあり、さまざまな人の居場所となっている。この「小さな場」が成功したのは、「ただの古民家」という居心地の良さの価値が大きい。シェア奥沢で起こることのほとんどがartに関連していることに気がついた。音楽、美術以外にも、人の心をとらえる何かがあればartであり、artで人はつながるのかもしれない。

アイデアをひとりで考えているだけではなかなか展開しないが、少人数での何気ない会話から、アイデアが具体化することがある。モンマルトルの、小さなカフェでのアーティストの出会いから印象派が始まった。ニューヨークのコワーキングスペースでは、そこでの異業種の人との出会いから新しいビジネスが生まれている。空洞化しつつある地方都市、未利用空間など、活性化のためには商業施設の設置や、企業の誘致という発想が多いが、art commonsといったヒト(個人)が主役となる、お互いの顔が見える場づくりからという展開も有効だと思う。