多摩美術大学 堀内チーム

多摩美術大学 堀内チームは、多摩美術大学の学生・卒業生のほか、他大学の学生、そして主旨に賛同する社会人が、それぞれの立場で都市環境やコミュニケーションデザインに関わるテーマに実践的に取り組む、ユニークな場となっています。

1998年、多摩美術大学デザイン学科(上野毛キャンパス)にて最初のゼミが始まりました。1999年10月、多摩美術大学上野毛キャンパスで開催されたIIID主催の情報デザイン国際会議 Visionplus7 で、Mapping Relations(地図による価値の交換)というセッションを堀内が担当し、パネリストのひとりとしてGreen Map 創始者のWendy Brawerを招きました。せたがやグリーンマップの制作が始まり、その後、東京なごみマップ、みらいグリーンマップ、東京自転車グリーンマップ、そして現在のシェアマップへと展開しています。

Visonplus7 (1999) アーバンデザインゼミ(2004) 大平農園で援農(2006)

堀内チームは、堀内が20年かけて模索してきた大学研究室のあり方の、ひとつの段階です。実践的な取り組みでありたいといういう思いから、都市のフィールドに出る研究テーマが中心です。その枠組みとしては、当初は委託研究(産学共同)が中心でした。それはクライアントの意向の枠内でしか展開できず、理想を求める若者の夢をつぶしてしまうこともありました。

転機となったのは、2011年の東日本大震災直後のゼミで生まれた「クールシェア」です。学生とのセッションで出たアイデアを地元で実践したところ、高い評価を受け、翌年には環境省の施策として取り入れられました。依頼されなくても、アイデアを世に問う。

現在の堀内チームが取り組む主要テーマは、良好な都市環境を形成するための研究、市民主導によるアイデアの創出と実践です。長期的な取り組みとして、都市のヒートアイランド現象を低減させ、快適な都市環境を創出する「涼都2050構想」があります。2011年の東日本大震災直後のゼミではクールシェアが生まれ、2018年から、オリンピック・パラリンピックの包括的な暑さ対策として涼都2020を提案中です。

堀内チームの取り組みのもうひとつの柱は、開かれた「場」づくりです。2013年に堀内の自宅に隣接した空き家を活用し、シェア奥沢という、地域に開かれたコミュニティスペースを開きました。シェア奥沢では地域の方々と様々なテーマをもった関心グループの重なり合いといった、新しい可能性が生まれており、住民主体型デイサービス(地域包括ケア)やこどもカフェといった、社会の要請に応える取り組みもあります。

最新のアイデアは「涼都」で、2018年のゼミのセッションで3年生(当時)の尾形直紀君が命名しました。さっそく、オリンピックの暑熱対策としての包括的な提案を「涼都2020」と名付けました。オリンピックに向けた暑熱対策の取り組みについて各方面のヒアリングを行ったところ、どうやら我々の提案とはだいぶ違うものになりそうです。そこで「提言」として公開します。

堀内チームは2050年の都市のあり方の提案を目標としており、それを「涼都2050」としています。涼都2050は、環境負荷を低減させる建築の作り方、居心地の良い場作りといった、すぐに取り組めるテーマのほか、都市の構造そのもの、広域的な都市計画にまで踏み込むことで、今の「熱都」を「涼都」に変えることを目標とします。

今の若者が社会の主役となる2050年。
なんとかその頃までに「涼都」を実現したいものです。