2020東京オリンピック開催予定期間WBGT値 比較

WBGT値とは、気温、湿度、日照、風、輻射熱(短波・長波)の影響を反映した値で、「暑さ指数」とも呼ばれています。酷暑時に人体に与える影響が総合的に評価でき、その値は気温よりも低い値となります。
2020年の東京オリンピック開催予定日について、2008〜2019年のWBGT値、および2019年の地域別の比較を一覧にまとめ、日本ヒートアイランド学会全国大会(2019年9月23日)にて発表しました。

この表から、以下のような事実が読み取れます。
1.2014年頃から、東京の猛暑日が顕著になり、2019年はこれまでで最も「危険」が多くなりました。
2.オリンピック招致が決まった2013年時点では、「危険」はほとんど発生していませんでした。
3.地域別の比較では、東京と、隣接する府中、埼玉のWBGT値が特に高く、これは東京都心の集積によるヒートアイランド現象の影響と考えられます。都心より南側となる、江東・臨海は「危険」がありません。
4.全国的な比較でも首都圏が特に暑く、WBGT値については、沖縄よりも高い値となっています。

WBGT値の指針は、以下をご覧下さい。日本の指針では「危険」レベルまでしか定義されていませんが、米国の基準ではさらに「Extreme」というレベルが設定されており、本グラフでは紫色で表示しました。日本の指針が定められたのは2013年で、それまでは「Extreme」の出番はほとんど無かったのですが、近年では顕著に見られるようになりました。

米国気象庁のホームページより