猛暑時の公園・庭園は安全か?

シェアマップには屋外の庭園や公園などが「クールシェアスポット」あるいは「ひと涼みスポット」として登録されています。昨今の猛暑日では、路上などほとんどの都市空間は熱中症になる危険が高い状況ですが、庭園や公園などは果たして安全に滞在できる状況なのでしょうか。 猛暑の日に、シェアマップに登録されている都心の名庭園やポケットパークなどがどれほど涼しいのか、あるいは涼しくないのか、2019年8月3日に測定検証をしました。 当日の 14:00 の環境省が公表するWBGT値は31.3℃(基準値とします)でした。測定の結果、日陰の無い歩道は、基準値より約1℃高くなり、街路樹の日陰がある歩道は基準値よりも約1℃低くなる、というわかりやすい結果が出ました。街路樹の茂る「表参道」は、日向でも気温上昇が押さえられていることが確認できました。 代々木公園と新宿御苑は、日向でも基準値より約1℃低く、日陰では約2℃低く…

2006年〜2019年 WBGT値の推移(東京)

2015年に測定地点が変更されており、その影響が考えられるので、2014年以前のデータは参考値として公開します。※下の追加コメントをご覧下さい。 環境省が公表するデータを使って、東京オリンピック開催期間前後、毎日朝6時から夜9時までのWBGTの推移を一覧できるような表を作りました。2019年はまだ更新中ですので、8月11日に完成します。引用した環境省のサイトへのリンク オリンピック開催期間中の午後に、「危険」:屋外での運動は禁止、外出は控えるレベルとなることが予想されます。過去データを見る限り、これは東京では未経験のレベルなので、東京オリンピックが「災害」にならないような対策を切に求めたいと思います。 このPDFデータは、随時更新中で、8月11日に完成します。 追加コメント (2019年8月7日)2015年の観測地点の変更による、測定値の不連続が見られたので、2014年までの測定値に一律 …

オリンピックスタジアム使用時間のまとめ

オリパラ組織委員会のホームページに公開されている競技スケジュール表から、各競技を合わせたオリンピックスタジアムの使用時間のまとめ表を作りました。作って気がついたのは、午後の時間帯、12:30〜19:00頃は競技予定が入っていないということです。オリンピックスタジアムには冷房装置が無いので、室内気温が上昇するので、使用中止にしたのかもしれません。 オリパラ組織委員会に、その間、観客がスタジアム内に滞在できるか問い合わせたところ、観客は競技ごとに入れ替える。(外にでなければならない)ということです。 昨年、今年のような酷暑の場合、WBGT値が 31℃を越え「危険」(外出は控える)の状態になることが予想されます。観光庁が推奨するアプリSafety Tips では、その旨の警告が出るはずです。 こういう状況で何万人もの観客はどうしたら良いのか、オリパラ組織委員会のご担当にうかがったところ、「自己責…

クールシェアと熱中症予防

クールシェアは、省エネルギーに加え、熱中症予防としての取り組みが増えてきました。自治体が熱中症予防として設置する「涼み処」(オアシス等、名称は様々)は、地域にお住まいの方を主な対象とするケースが多いですが、クールシェアスポットによっては、都市に訪れる多くの方を対象とします。 自治体によっては「クールスポット」(屋外の涼しい場所)の開拓を進めていますが、異常気象による酷暑、市街地のヒートアイランド現象に対応するためには、避難場所としてのクールシェアスポット(屋内の冷房が効いた空間)の普及が必要だと考えます。 クールシェアのモデルは、欧米の “POPS” (Privately owned Public Space):公開された私有地 という考え方です。居心地の良い屋外の公開空地(クールスポット)や、屋内の公開空地(クールシェアスペース)が多くあります。これに比べると日…

“ラストマイル”とラストワンマイル

2018年4月、東京オリパラ組織委員会の方から、はじめて”ラストマイル”という言葉をうかがいました。英語的には”Last One Mile”なので、?と思ったのですが、”ラストマイル”とは、競技会場に近い指定駅から競技会場までの徒歩ルートのことでした。例えば、千駄ヶ谷駅とメインスタジアムとの距離は300mくらいですが、ラストマイルと呼んでいます。 上の地図は、本当の1マイル(1.6km)の線を重ねたものです。オリパラ組織委員会のリストに原宿駅は入っていませんが、1マイルに入っています。実際歩いてみると一息で歩ける距離です。やはり山手線の駅は利便性が高く、原宿は人気の観光スポットなので、利用する人は多いと思います。原宿駅も”ラストマイル”に加えることを、オリパラ組織委員会のご担当に提案をしました。…

ひと涼みスポット

クールシェアスポットは、省エネ・地球温暖化防止を主目的として展開しているので、「概ね1時間以上すごせる」というガイドラインがありました。自治体の取り組みで増えてきたのが「熱中症予防」としてのクールシェアの活用です。特に、道を歩いているときにちょっと立ち寄り、休息をとることが熱中症予防に有効なので、その目的で設置されるクールシェアスポットを「ひと涼みスポット」と名付けて展開することになりました。 クールシェアスポット は、ゆっくりとした時間を過ごせる涼しい場所です。広場や公園などの自然で涼しく過ごせる場所、カフェやレストラン、美術館などの有料のスポットと、ギャラリーや図書館などの無料で使えるスポットがあります。 ひと涼みスポット は、道を歩いていて”ひと涼み”したい時に、気軽に立ち寄れるクールシェアスポットです。熱中症予防のために活用しましょう。その多くが無料で入れま…

東京緑地計画 から 涼都2050へ

戦前に「東京緑地計画」という、東京23区を「グリーンベルト」で取り囲み、東京都心部の成長を抑制しよう、という壮大な都市計画がありました。用地の買収が進められましたが、戦時中にその目的が戦火の拡大を防ぐための「防空緑地」に置き換えられました。そして残念なことに戦後、GHQの指揮下の農地開放により、東京緑地計画は消滅してしまいました。買収済みの用地も戦時中の食糧難で畑になっていたために農地と見なされてしまったのです。現在の小金井公園、深大寺植物園、砧公園、舎人公園、水元公園などにその名残を見ることができます。戦災復興計画として再度立案されますが、その基盤は失われていました。 1958年の第一次首都圏基本計画では、1944年の大ロンドン計画をお手本とし、都市の成長を抑制するためのグリーンベルトが「近郊地帯」として計画されます。しかし、開発抑制に対する地元農民による激しい反対運動やスプロール化の進…

打ち水自転車

打ち水の効果は限定的ですが、暑い日に「涼」を演出する日本の知恵として活かしたいものです。道行く人の近くで、伝統的なからくり人形が、けなげに打ち水をする。その楽しい仕草に一瞬でも暑さを忘れ、立ち止まって写真を撮る人もいるでしょう。 2018年7月にこの提案をしましたが、実際に制作する流れになりませんでした。今年は(有)マイテクの秋山岑生さんとの出会いがあり、技術的には具体化への道筋が見えてきました。まだ製作資金の当てが無いのですが、このプロジェクトにご興味をもたれた方はぜひご連絡ください。 (有)マイテクのホームページ 本件の問い合わせ先: ryoto@coolshare.jp 03-6421-2118 (クールシェア事務局)…

クールシェア MAP

暑熱対策を目的とした 「涼都クールシェアマップ」を準備中です。 これまでのクールシェアマップは、省エネ・地球温暖化防止を主目的に展開していましたが、近年の猛暑に対応し、暑熱対策としてのクールシェアスポットの展開が求められています。 省エネ対応:概ね一時間以上の滞在を基本とする暑熱対策: 短時間の利用でもOK という、大きな違いがあるので、マップのトップ画面で切り替えられるようにする予定です。外国人の来街者の暑さ対策が課題なので、英語対応もします。2019年7月下旬の公開を目指しています。 現状のマップは、こちらからご覧下さい 全国版: https://sharemap.jp 東京版: https://tokyo.sharemap.jp (更新作業中)…

クールシェアハット(遮熱帽)

 昔なつかしい、折り紙の「兜」にヒントを得たクールシェアハットは、紙一枚あれば、折り方のマニュアルを見ながら約2分で制作でき、折りたたんで携帯できます。襟元まで被すので、通常の帽子より遮熱性が高いのが特徴です。日傘のように面積をとらず、突起もないので安全です。スタジアムの観客席や、マラソンコースの沿道で応援する時に大勢が被っても、後の客の目線を遮りません。 この帽子の折り方は、創作折り紙作家の 坂田英昭氏 の考案によるもので、だれでもが自由に使える許可をいただいています。(折り方のマニュアルは出版社の許可が取れ次第、こちらで公開します) 少し厚めの紙で作りますが、試作に使ったのは障子紙(ポリプロピレン入りの耐水和紙:ひとつあたり200円程度)です。普通の紙より折りやすく、頭へのフィット感もあります。 クールシェアスポットで紙を配付し、そこで涼みながら折り、被って外に出かける、といった普及方…

暑くなる大都市 〜東京ヒートマップ

堀内が「ヒートアイランド現象」という言葉を最初に学んだのは、1975年に東京芸術大学で受けた尾島俊雄先生の授業でした。『暑くなる大都市』という著書をテキストにまさに暑く語られていましたが、それが今のような大問題になるとは、思っていませんでした。建築の人工廃熱と蓄熱によるヒートアイランド現象、それを緩和できる緑地と水面の効用など、早くから語られていましたが、残念ながら高度経済成長の時代には、あまり注目されなかったと思います。一方で、欧米の先進都市ではその防止に早くから取り組み、ロンドンのグリーンベルトの設置、ポートランドの建築規制などが有名です。 残念ながら、東京一極集中の是認が基本の今の東京は、森を無くして大規模マンションを建設する、ということがまだ行われています。その対策としては、大規模開発における屋上緑化、敷地内緑化といったかたちばかりのみどり率を増やす方針がありますが、大規模開発を抑…

クールシェア in 日本橋

昨今の「酷暑」状態から、街に来た人の熱中症対策が求められています。来街者の暑熱対策をねらったクールシェアのモデル事業として、2018年7月26日から8月9日まで(2年後の東京オリンピック開催期間を想定)「クールシェア in 日本橋」が開催されました。このモデル事業では、期間限定とはいえ、メガバンクの支店、郵便局といった施設で、接客空間やロビーをクールシェアスポットとして開放するという画期的な社会実験が行われました。 実施時には既存のクールシェアスポット(ゆっくりとした時間を過ごせる)との混乱が一部で生じました。そこで、熱中症予防のための「短時間の利用」を想定した「ひと涼みスポット」を導入することになりました。 記録映像をご覧ください。Youtube ←クリック…